「核燃料サイクル」維持は幻想、早期に手じまいすべきだ!

October 3, 2021 – 3:41 pm

自民党の総裁選挙がおわり、岸田文雄が総裁に選出された。明日にも、国会承認を受け、我が国の総理大臣に就任することになる。

総裁になることを期待していた河野太郎は、残念ながら、完敗し、広報本部長という事実上「冷や飯食い」の役職に追いやられてしまった。

総裁選の議論のなかで特に印象に残ったのは、各候補の「核燃サイクル」にたいするポジションだ。河野候補の「核燃サイクルは手じまいすべし」という主張に対して、3人の候補は、以下のように、「核燃サイクル」の維持を主張している(FNNプライムオンラインより転載):

岸田候補:

再稼働しながら核燃サイクルを止めるということは、原発を動かすことは難しくなってしまう。2030年、CO2マイナス46%という目標は難しくなるし、電力コスト自体もはね上がる」

高市候補:

続けなければ、ただのゴミになってしまう。これは安定的なエネルギー供給体制からも逸脱していく。しっかりと、これは核燃料サイクルを進めるべきだ

野田候補:

絶対安定供給というのが電力の使命。それを達成するためには、再生エネルギーという太陽や水や不安定なところによって立つことはできない。ということで、わたしは核燃料サイクルを止めません

これら3候補、本気で「核燃サイクル」の実現可能性を考えているのだろうか? 現実を直視しないで口先だけの主張としか思えない。

高速増殖炉原型炉「もんじゅ」建設の計画は頓挫し、青森六ヶ所村の「再処理工場」も事故続きで、いまだ、運転の見通しも得られていない。どう考えても、「核燃料サイクル維持」を主張することに現実味はない。

そろそろ高レベル使用済み燃料を切り刻み、高レベルの放射性溶液を生み出す核燃再処理に見切りをつける時期にきている。

再処理なしの手段はなくはない。「乾式貯蔵」だ。この方法については、「東海村・村長の『脱原発』論」を読んでみた」を参照してほしい。
 


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