小型モジュール炉(SMR)の導入に世界が動き出した!!
August 23, 2022 – 6:17 pm今朝の日経(8/23付け朝刊)に小型モジュール炉導入の世界的な動きについて、解説記事がでていた。
「〈テックビジュアル 解体新書〉小型原発、エネ安保で脚光米ニュースケールなど市場開拓、脱炭素へ欧米導入の動き」とタイトルされたもの。この記事のなかに、SMRの導入動向が世界地図上に示されていたのでメモしておいた。
解説記事のリード文を以下に転載:
安全性や建設費の安さを特徴とする小型モジュール炉(SMR)の導入に世界が動き出した。大規模発電所を主体とした電力供給のあり方を変える可能性を秘め、米新興ニュースケール・パワーなどが新市場開拓に挑む。米欧と対立する中国やロシアはいち早く実用化を進める。気候変動やウクライナ危機で複雑さを増すエネルギー問題を解く有力技術として開発競争が熱を帯びてきた。
10年前の福島第一原発事故を経験した我が国においては、原子炉のコンセプトが異なり、いくら安全な原子炉といわれても、この技術に簡単には飛びつくことはできない。
しかし、ロシアのウクライナ進攻以降にLPGガスの高騰、脱炭素の流れのなかで、原発を導入することで最近のエネルギー危機に対応しようとするのは、自然の流れともいえる。背に腹は代えられないといったところかもしれない。
この解説記事によれば、「SMRは次世代の小型原子炉で、電源に頼らずに原子炉を冷やす構造などを採用し、安全性を高める。工場で大半の設備をつくり、短い工期で建設費を抑える。ニュースケールのこれまでの試算によると、米国内にSMRの発電所を設ける費用は1キロワットあたり3000ドル以下と、5000ドル以上の大型炉に比べほぼ半額の水準になるという。」(同上日経記事)
安全性だけでなく、スケールメリットを旨とする従来型の原子炉に変えて、SMRを詳細に検討するのはよいのかもしれない。
少し、きちんと考えてもいいのかな、と思った次第。
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