LPガスの微小漏れが発生した

February 22, 2013 – 7:28 pm

我が家のLPガスの配管で微小のガス漏れが検知された。このため、ここ2,3週間、我が家にとっては結構大変な騒ぎになっていた。この騒ぎを通じて、LPガス屋さんの業務とか、一戸建ての家を建てるときのメンテナンスの考え方とか、いろいろ学ぶことも多かった。
今回の経験を簡単にメモしておいた。

LPガスに微小漏れ: 1週間ばかり家を空けていて、帰ってみると、突然、LPガス屋さんが訪問してきた。「LPガスに微小漏れが検知されたので、ガスの配管をチェックしたい」という。なんでも、ガスメータに内蔵されているマイコンメータに、微小漏れの警報が出たようだ。

このマイコンメータの説明をグーグルで検索してみると、LPガス屋さんのHPに我が家で使っているのと同型のガスメータの警報についての説明を見つけた。これによると、我が家の症状は、

ゴム管にヒビがあったとき!
微小な漏れが30日以上流れ続けた場合、警告表示します。

ガスの配管に何らかの問題が生じ、微量のガスが流れ続けていたらしい。

ガス漏れ箇所の特定作業: 我が家のLPガス、キッチンのガスレンジと給湯器に供給されている。二つとも、ゴム管などを使わず、「ステンレス製」のガス配管が取り付けられている。そのことから、まず、微小なガス漏れは、ガスレンジと給湯器へのガス取付け部にあると推察された。

シール部の健全性を確認しながら、ガス圧をチェックしたのであるが、ガスレンジ、給湯器の取付け部のシールをきちんとした状態でガス圧の変化を見るのだがガス圧の下降するのを改善できない。このため、LPガスボンベ(ガス供給部)からガスレンジ、給湯器に至る間の配管分岐部の接合部に漏れが生じていると推察。

配管分岐接合部に問題がありそうということになったのであるが、ガス供給部からの配管、そして出口の配管ともに、それぞれ家屋の壁から出ているため場所の特定が困難になってしまっている。

ガス配管分岐部の探索: LPガスの業者さん、床下にガス配管の分岐部があるだろう、ということで、キッチン、洗面所周辺の床下点検口(2個)を開け、探索作業を開始。

床下点検口から床下の様子を見るといっても、我が家の場合、床下収納用ケースそして冷蔵庫を取り除かねばならない。結構大変な作業をしながらガス配管の分岐をさがす。

やっとの思いで、床下点検口を開けてみたのであるが、残念ながら目標とするガス配管分岐部がみあたらない。そこで、どうも、ガス供給部から壁伝いにガス管が這わされ天井裏にガス配管分岐部があるのでは、ということになった。

ここで重大な問題。我が家に限らず、一戸建ての家屋に共通すると思うのであるが、天井裏へアクセスする点検口がないのである。ガス配管分岐部の位置を特定し、作業をするのにはかなりの作業を要する。天井裏への点検口があるのは、はるか離れた押入れとか物入れの部分が一般的。とても、ガス管の配置されていそうなところは確認できない。

ここで、LPガス屋さんの提案:
「既存のガス配管を使わないで、新たに外壁にガス配管を設置してはどうですか?」

もっともな提案ではあるのだが、せっかく15年前に建てた際に、壁のなかに配管したのは、それなりの理由がある。外壁の外にガスの配管が設置されるのは、どうも美観上よろしくない。

加えて、この方法を採用すると、室内のガスレンジにガスを供給するために壁に穴を開けなくてはならない。簡単に言ってしまうと、家を一部壊さねばならない、ということになる。

なんとしても、問題の配管分岐部の場所を探しだし、既存のガス配管を生かす方策を考えねばならない、と思った。

応急的な措置: 作業がすすめられないので、応急的な措置として、ガスレンジ、給湯器それぞれに小型のLPガスボンベをあて、ガスの配管のかわりに、ゴムホース。なんとも情けない状態で、ガスを使うはめになってしまった。

本格的な修繕は、天井裏へのアクセスを可能にしてからだ。なんとしても、早急に作業をすすめないことには、この情けない状態をつづけなくてはならない。

困った事態に陥った。

ハウスメーカ(旭化成ホームズ)との話し合い: 我が家、へーベルハウスの商標でおなじみの旭化成によって、約15年前に建てられた。外からは見えないガス配管の現況がどうなっているのか、旭化成さんに相談させていただくことにした。

まず、相談は、ガス配管の位置を示す図面が旭化成ホームズに保管されているのではないのか、といことから開始。家を建てたときに、一括して工事してもらったのであるから、施主側としては当然ガス配管の位置を示す図面があるのではと考えたわけ。

ところが、である。ガス配管工事というのは、ガス屋さんが行い、施工図面もハウスメーカである旭化成ではなくガス業者(ガス設備設置工事屋さん?)に保存されているとのこと。そして、さらに困ったのは、図面の保存期間は、5年となっており、図面の保存は期待できない、という。

そうこう相談しているうちに、ハウスメーカから提案。天井に「点検口」を開け天井裏内部を確認するのがよろしい、というもの。確かに、この「点検口」からアクセスできる天井裏にガス配管分岐部があればよいのだが、開けてもアクセスできないことになってしまうと、極端な話、天井が穴だらけになってしまう。ガス配管の設置図もない状態で「点検口」を開けようというのだから、かなり乱暴な話なのでは、と思った。

それに、「点検口」を開ける工事に要する費用を確認すると「大体1万五千円から二万円」を要するという。複数の「点検口」を開ければ、単純計算で、点検口の数だけ費用がかさむことになる。

そこで、我がほうからハウスメーカに提案。

ガス配管分岐部のありそうな天井位置に「点検口」を開けてください。但し、ガス配管分岐部にアクセスできるような「点検口」であるものについての、費用をこちらで持たせていただきます。そうでない場合は、費用は支払わない、なんてかなり身勝手な提案をさせていただく。

電話口の担当者氏、「後日、相談して返答させてください」との話。

ここからは、さすが、大手ハウスメーカ「旭化成ホームズ」の実力。2日後に返答をいただき、その回答は、費用は旭化成ホームズもちで点検口設置工事をします、とのこと。

数日後には、点検口設置工事が執り行われ、無事、目指すガス配管分岐部を見出すことができた。

工事の日に感心したことは、光ファイバーカメラまで準備されて天井裏の探索が完璧に行なわれるよう手配されていたこと。旭化成さんに感謝。

LPガスが無事開通: 想定していたとおり、天井裏のガス配管分岐部のシーリングが「経年変化?」により劣化していた。これが微小漏れの原因であった。無事、分岐部そのほか、ガス配管の接合部のすべてを新しいものに取り換えるなどして作業が終了。既存のガス配管を生かすかたちで、いままでどおり、LPガスの供給をすることができた。

作業をやってくれたガス屋さん(ニチガス)に感謝。

今回の教訓: 今回の微小漏れさわぎで、いままで知らなかったこと、教訓とすべきことが多々ある。そのあたりを以下まとめておこう:

  • ガス屋さんの話では、ガス配管の接合部からの漏れといった、この種の障害、設置から10年以上経過したものでは、そう珍しいことではないという。LPガス屋さんは、ガスの販売だけでなく、この種の点検、メンテの役割がかなり大きい、というのが実感。
  • ガス屋さんには、ガス販売に加えて、きちんと供給されるように維持する義務があるのだという。今回の例でいうなら、微小漏れの発生を検知したところから、ガスの停止、応急的なガスの供給、そして故障等の修理など、契約範囲内の作業として、「無料」でおこなわなければならないようだ。当然のことであるが、基本料金のなかに、この種の料金も加算されていると、推察。
  • 家を新築しようとする際に大切なことに、水、ガス、電気などいわゆるライフラインを中心とする諸機器のメンテナンスを考えた仕組みをきちんとしておかねばならない。新築直後は、気が付かないが、我が家のように、築15年ともなると、いろいろなところにほころびが生ずる。今回のガスの微小漏れなどは、どんなに施工がきちんとしていても、発生するのは不思議ではない。こうした事態に柔軟に対応できるような仕組みを作っておくというのは、家づくりに重要なことと実感。

最後に、今回、作業をしてくださった、旭化成ホームズ、そしてニチガスのみなさんに感謝。


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