「給付付き税額控除」は理想的 ただ不可能!?

February 17, 2026 – 5:17 pm

各党の2006年衆議院選挙公約は、「みらい」を除き、消費税廃止だった。圧勝した自民党は、公約した2年限定の消費税減税を「給付付き税額控除」導入までの一時的措置とするといっている。この「給付付き税額控除」は、確か、野田・民主党も主張していた筈。そして、その実現のために導入を進めたのがマイナンバー制度だった。

「給付付き税額控除」は、所得税額から一定額を差し引き、控除しきれない分を現金で給付するというしくみで、「真に支援が必要なひと」へ効果的に給付する優れた仕組みだと思う。バラマキではなく合理的で持続的な優れた仕組みだ。ただ、これを運用するには、国民個々人の正確な所得や資産を正確に把握する必要がある。そのインフラとしてマイナンバー制度が必要とされた。

ただ、マイナンバー制度がうまく運用されることになると、個々人の所得・資産といったある種究極の個人情報を丸裸にし、その情報を国家権力が握るということになる。言い換えると、個々人の個人情報の管理を許す前提で、「平等で公正な税制」を実現しようとしたものだ。丸裸にされることを良しとしないで、「給付付き税額控除」という仕組みを手に入れることはできない。

日経電子版(2/17配信)に「高市首相阻む「クロヨン」の実態 給付付き税額控除に壁」という解説記事がでている。興味深く読ませてもらった。

大昔に話題になっていた「クロヨン」なるもの、いまだに健在のようだ。

このクロヨンとはなにか、以下、転載:

「クロヨン」とは税務署が職業の違いによってどれぐらい所得をつかめるかを表す。源泉徴収の会社員なら9割、会社の経費と家計が混ざりがちな自営業者らは6割、農業従事者らは4割とされる。

このクロヨン格差について、日経の解説記事では、

元経済財政相の大田弘子氏らは2003年に格差は大幅に縮んだと推計し(ていたものの)21年の千葉大の新関剛史教授と法政大の浜秋純哉准教授が21年9月に公表した「自営業世帯は所得を過少に申告しているか?」と題する実証分析で、「自営業者は所得を約33.0〜36.4%過少申告している」(と結論し、)大田氏らの推計を「支持しない」と退け「70〜80年代について得られた20〜50%の申告漏れ率の推定値とほぼ同じ」と分析した。

なんのことはない。サラリーマン給与生活者は所得は源泉徴収で丸裸にされるが、大昔に話題になった「クロヨン」は健在で、自営業者らは所得を適正に申告していないというのだ。

消費税は、こうした影に隠れて見えない不公平をなくすうえで優れた仕組みのはずだ。仕入れから売り出しまでの段階ごとに生み出される利益の何パーセントかを消費税(Value Added Tax)として徴収すれば、個人、法人が得られる利益に比例して税金を支払う仕組みだからだ。

食品にかかる消費税減税を2年だけ実施して、いまだ健在の「クロヨン」という仕組みに挑戦し、「給付付き税額控除」を実現するのは、大変だ。

さて、今後、どうなるのか。高市政権にとっては、公約で謳った消費減税をうやむやにすることで、乗り切ることが一番の得策ではないのか?なんて思ってしまうが、いかがだろう。


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