年金の源泉徴収にミス??
February 15, 2012 – 9:33 am毎日新聞(2月14日付け東京朝刊)に「日本年金機構:支給減るミス 7万人分、平均2万3158円」なる記事がでていた。記事のリード文を以下に転載:
日本年金機構は13日、老齢年金の2月支払い分に、実際の所得税額よりも多く源泉徴収するミスがあり、今月15日に支給される7万1984人の年金が平均で2万3158円、最高で5万1325円少なくなると発表した。総額は約16億7000万円で、3月に返還する。年金機構は記者会見し「ここ10年ではなかった規模のミス。ご迷惑をおかけし、心よりおわびする」と謝罪した。
年金受給者への影響は?: 年金機構のミスで源泉徴収される税額が平均で「2万3158円、最高で5万1325円」増えるという。
源泉徴収税額が増加する仕組みについて記事では次のようになっている。以下、同じく転載:
年金機構によると、源泉徴収の対象になる約700万人(65歳以上で年金額158万円以上、65歳未満で108万円以上)に提出を求めていた扶養親族等申告書の処理にミスがあった。申告書の機械読み取りができなかった約13万人分は業者に委託して手作業で入力したが、業者が約7万人分の処理を失念。年金機構もチェックを怠ったため、申告書の未提出と同じ扱いになり、源泉徴収する課税対象額が5%から10%に跳ね上がった。
最後のセンテンス「申告書の未提出と同じ扱いになり、源泉徴収する課税対象額が5%から10%に跳ね上がった」というところ、もっと仕組みは複雑だったのでは、と思うのだが・・・。
このあたりについては、我がブログで「公的年金に対する源泉徴収税額について調べてみた」に書いている。このエントリー、ちょうど3年前の記事だ。法的な根拠は「所得税法第203条」、これを読んでみると、上記した新聞記事、正確さに欠けるのではって思ってしまう。所得税法のこの部分、3年前から変わっていないと思う。
そもそも源泉徴収なんて制度がおかしい: 年金機構が頭を下げるのはいいけど、マスコミも、もう一歩踏み込んで、源泉徴収なんて仕組みの不合理さを指摘、解説したらいいのになんて思ってしまう。
以前のエントリーでも書いたけど、確定申告すれば、年金に対して源泉徴収された税額は(平均的な年金受給者については)、ほぼ全額返ってくる。
年金機構の役割ではないかもしれないけど、このあたりもきちんと説明しておいたほうが良いのではなんていらぬことを考えてしまう。あ、そうか、税金取るのは年金機構の親方、厚生労働省ではなかったんだ。
とまれ、年金受給者の皆さん。確定申告、還付申告をお忘れなく。