韓国による水産物禁止措置をWTOが容認??

April 12, 2019 – 6:31 pm

今朝の「森本毅郎 スタンバイ!」(TBSラジオ)のニュースズームアップで、韓国による日本産水産物の禁止措置がWTOにより容認された旨報じられていた。

東京電力福島第一原発事故のあと韓国が福島など8つの県の水産物の輸入を禁止している措置について、WTO世界貿易機関は禁止措置を不当とした判断を覆し、日本の逆転敗訴となる判断を示しました。日本は原発事故を理由とした輸入禁止措置は科学的根拠がないとWTOに訴えていましたが、WTOの上級委員会は日本を不公正に差別したものとは言えないとしました。

このニュースをどうみるべきか。なかなか難しい問題を含んでいると思った。ちょっとした感想をメモしておいた。

このニュースにたいする解説では、韓国以外にも23か国においてが原発事故による放射能汚染を理由にして輸入禁止措置をとっている国があるということを説明していた。正直なところこれには驚いた。

WTOに対する日本の主張では、水産物中の放射能濃度は十分に低いレベルにあり、なんら問題ないとしていた。この日本の主張、WTOの初級審でも認められていることであり、まさか上級審でこのように判断されるとは、関係者、誰もが想像してなかったに違いない。

このWTOの判断を知り、まず感じたのは、日本の外務省は何をやっていたんだということだ。外務省は、WTOに対し、十分な説明、対応をしてきたかのだろうか。不思議に思う。日本の外交力というか、外務省担当者の力のなさが暴露されたような事件ではなかったのか、と思ってしまう。

もうひとつは、原発事故による食品の放射能汚染を議論すると、国内では、「風評被害」ということになってしまうが、実は、国外では問題ありとする「雰囲気」が残っていることを理解する必要があるのではないか、とかということだ。こうした問題を議論するときに、「科学的根拠」との話がでてくるが、それを超える不信というものが存在することを理解しなくてはならない。

原子力に対する不信は大きい。あれだけの事故を起こしながら、原発の再稼働しようとする動きについて考えなおす必要があるのではないか、と思う次第だ。

それにしても、福島原発事故の影響の大きさを改めて感じさせるニュースであった。
  


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