06、07年度退職者に住民税が還付される

February 25, 2008 – 12:24 pm

一昨年、06年度、から「地方分権の推進と三位一体改革」の一環として国から地方に税源委譲が行われた。これにより、07年6月からの住民税がアップし、国に治める所得税がダウンした。給与所得者にとっては、この住民税のアップ分は所得税のダウン分で相殺され、徴収される税金はトータルでは変化しないという。しかし、06、07年度に退職した者にとっては、この改革、住民税がアップしただけで、所得税の減額の恩恵を受けることはできない。しかし、どうやら、きちんと申告すれば、住民税の増額分、取り返すことができそうなのだ。

07年6月から徴収されている住民税は、前年06年の所得をもとに計算される。一方、07年の所得税は、07年の所得をもとに計算される。従って、06年度あるいは06年度に退職し、07年の所得が06年のそれに比べて著しく減少したものにとっては、税率の変化による07年の所得税のダウン分が既に支払った住民税のアップ分を相殺することにならない。06、07年度の退職者が、07年の所得が増えるというのは稀。大部分の退職者は、「著しく」所得が減ったはずだ。

06年に退職した私、かなりこの税率の改正による不公平、不満だった。しかし、これに対する措置がきちんとあった。06年、07年度の退職者に対して、きちんと申告さえすれば、税率改正に伴う住民税過払い分が還付されるという仕組みがあったのだ。計算すると、結構な額になる。この制度、正式には、「税源委譲に伴う住民税の減額措置」というものだ。詳しくは、総務省のHPのなかの「国から地方への税源委譲(三位一体改革)~身近でよりよい行政サービスを目指して~」 に詳しく説明されている。

この総務省のHPでは、次のように説明されている;

平成19年に所得が減って所得税が課税されなくなった方 ―― 税源委譲により、所得税率の変更による税負担の軽減の影響を受けず、住民税率の変更による税負担の増加の影響のみを受ける方については、市町村への申告により、既に納付済の平成19年度分の住民税額から、税源委譲により増額となった住民税相当額を還付します。

どの程度の住民税が還付されるのか? 「政府広報オンライン」でモデルケースが計算されている。これによると、夫婦、子供二人で、平成18年の給与収入500万円の場合、税源委譲前の所得税が22万円、住民税が13万円。平成19年の所得がないと、所得税は徴収されないが、税源委譲後の住民税が22万7500円となり、平成19年6月から徴収されている。住民税の差額(増額)分9万7500円が、申告すると、還付される。結構な額だ。

しかし、この措置、申告することが必要。申告期間は、平成20年7月1日から7月31日。平成19年1月1日現在、住んでいた市区町村に申告しなければならない。申告しないと、還付を受けることができなくなってしまう(かもしれない)。

それにしても、税金って、とるだけ取って、とりすぎた分は、とられた側が申告しないと返さないというのはいかがなものか。少なくとも、該当者の私、この措置知らなかった。忘れずに申告しよう。06、07年度の退職者といえば、いわゆる団塊世代第1陣、かなりの該当者がいるはずだ。さあ、みんなで市区町村に申告に行こう。

その他資料: 「申告をお忘れなく」総務省・全国地方税務協議会パンフレット
 


  1. 2 Responses to “06、07年度退職者に住民税が還付される”

  2. 06、07年度が07,08年度に誤記されていたため、修正した。

    By admin on Mar 14, 2008

  1. 1 Trackback(s)

  2. Jul 2, 2008: 住民税などの手続きをやってきた | Yama's Memorandum

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