携帯電話の世界シェア推移 -興味深いニュース記事-

February 28, 2017 – 5:36 pm


購読している日経Web版の有料会員限定記事に興味深いもの(画像)を見つけた。記事自体のタイトルは、「スマホ 中国・華為が台頭 -世界最大の見本市開幕 世界シェア、2位アップルと5ポイント差 サムスンは新型公開せず」だ。

私が興味を持ったのは右図。ここには主要な携帯電話メーカーの世界シェアの推移が描かれている。メーカ別のシェア推移とともに、携帯電話に関わる歴史的なトピックが合わせて記されている。

日経の記事自体は、バルセロナで開かれているモバイル機器見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWA)」で新興勢が台頭、とくに中国の華為技術(ファーウェイ)の躍進が著しいことを報じたものだ。

この記事の背景説明として掲げられているのが冒頭の世界シェアの10年間の推移を描いた図だ。

図を見て最初に感じたこと
10年前までは、携帯電話といえばフィンランドのノキア、そしてそれに続いて米国のモトローラだった。これら携帯電話の老舗がともに凋落してしまい、今や、韓国のサムスン、米国のアップルが世界のシェアを握っている。そして14年からは記事で注目している中国の華為技術がアップルを脅かすような位置につけている。ノキアが携帯電話業界から消え去るなんて想像もしなかった。

この図で感じるもうひとつのこと、それは、我が国の携帯メーカーが蚊帳の外、情けない状態にあることだ。図に示されているメーカーの製造する携帯電話の主要部品の多くは日本製だと聞かされても、強がりを言ってるとしか思えない。実に残念で仕方がない。あのソニーとかNEC、東芝などひと昔前、世界のPC市場を「けん引」した(したのかな?)我が国のメーカーはどうしたのだろうなんて思ってしまう。実に情けない。

搭載しているOSとの関係は
この図でもうひとつ注目したいのは、浮き沈みの激しい業界でありながら、比較的安定しているのがAppleという事実だ。2007年の「iPhone」の発売以来、10~20%のシェアを安定的に確保している。この理由は何かということを知りたくなる。

サムソンの携帯のOS、Androidは、無償で誰にでも提供されるオープンソースであり、Apache V2ライセンスで配布される(ウィキペディア参照)。このオープン・ソースという利点を利用したのがサムソンだったのだろう。OSという基本部分が誰でもが入手可能であるということは技術革新を助けるという積極的な側面がある。世界の英知を取り込むことのできるプラットフォームとして素晴らしい。

しかし、難点もなくはないのでは、と思う。アイデアさえあれば、このOSを取り込んでいる携帯を瞬く間に乗り越えることもできるのではないか、と思うのだ。

対して、AppleのiPhoneは独自のiOSを採用している。ある意味、携帯というか計算機の異端ともいえる位置にある。変な表現になるかもしれないが、「オタク」系の携帯とでもいえる。「オタク」がひとたび世界を牛耳ると、その独自な世界から抜け出せないため、安定したユーザー集団を形成することになる。

私の携帯、3年前からiPhoneだ。今や、Appleの独自の世界に取り込まれ、他の携帯に乗り換えることはできないように思う。

あれこれ考えてみると、サムソンが凋落するのも、そう遠くない未来かもしれないな、なんて思ってしまう。
   


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