気になったニュース: 携帯大手3社が新メッセージサービス??

April 12, 2018 – 11:53 am

一昨日の新聞、テレビなどほぼすべての媒体で「携帯大手3社が新メッセージサービスを開始」というニュースが流れていた。このニュースの日経電子版(4月10日 16:35 配信)の表題とリード文は以下:

携帯大手3社 SMS進化 長文・動画でLINE対抗 「+メッセージ」開始
NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの携帯大手3社は10日、長文テキスト動画に対応した新たなメッセージサービス「+メッセージ」を共同で開始すると発表した。現行のショートメッセージサービス(SMS)を進化させた。LINEなどネット企業が先行するメッセージサービスの分野で巻き返しを図る。

そして、その特徴について以下のように説明している:

大手3社が共同でサービスを始める背景について、ソフトバンクの千葉芳紀部長は「(略)国際標準仕様としてRCSの仕様が固まってきたことから、3社歩調を合わせて導入を進めた」と語る。RCSは現在、世界39カ国、50の携帯電話事業者で導入が進められているという。

このニュースに触れ、個人的な印象ではあるが、この新サービスの普及が普及するのは難しいのではと思った。単なる素人の印象ではあるが・・・・

「+メッセージ」がSMSに代わる?
このニュースに触れて最初に感じたことは、「+メッセージ」という新サービスがSMS の代わりになるか?ということ。個人的には懐疑的だ。

SMS は携帯端末の音声通信のテキスト版という性格のサービスだ。携帯端末の通信規格の一要素となっている筈だ。電話番号で接続できるというのはこのことによる。端末固有の電話番号でつながることができることから、さまざまな認証サービスに使われる。Googleの2段階認証とかApple-IDの認証などにはなくてはならない機能だ。携帯端末上で動作するアプリというより、携帯電話そのものあるいは端末の動作の基盤であるOSの一部としての機能だ。

報道では、「+メッセージ」とLINEが対比されて議論されている。「+メッセージ」がLINEの対抗馬となりうるか?という具合にだ。そして、この新サービスがLINEと同じように、OS上で動作するアプリのひとつであり、OSに含まれる機能としては議論されていない。これでは、SMSの進化形として、これに代わるものとは思えないのだが、どうなんだろう。正直なところ、私にはよく分からない。

iPhoneでは使うことができないサービス
「+メッセージ」は、国際標準仕様としてのRCS(Rich Communication Services)に準拠するもののようだ。しかし、RCSという規格はGoogleが中心になって取りまとめたもので、Android端末には、すぐにも適合可能となるのだろうが、iPhoneでは使用できないのではないのか? 報道によれば、iPhoneには対応が遅れるといわれている。

我が国のスマートフォンに占めるiPhoneのシェアは非常に大きい。約70%もある。そうすると、携帯3社が「歩調を合わせて進めた」と胸を張ったところで、7割の携帯ユーザには新サービスは提供されないということになる。AppleがGoogleの軍門に簡単に下るというのは考えられない。水面下で、何らかの調整が進められているのかもしれないが、にわかには信じられない。

今回の動きで、我が国の携帯業界でのApple、iPhoneの位置はどうなってゆくのか。iPhoneユーザのひとりとして今後の動向が気になる。
  


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