太陽光発電システムにサイバーセキュリティ上の危惧!

May 26, 2025 – 8:54 pm

先月4月下旬、スペイン・ポルトガルで発生した大規模停電について調査が進んでいるようだ。それとの関わりで、太陽光発電システムがセキュリティ上の脆弱性が話題になっている。

日経電子版(5/26 配信)に、「中国製太陽光パネルに懸念強まる スペイン大規模停電で」と題する記事がある。ここでは、太陽光発電システムを構成する部品のほとんどが中国製であることにより、大停電事件をひきがねに、これがセキュリティ上の危険を生むのではないかと議論されている。

記事のなかで注目したのは、以下のようなところだ。:

欧州には中国製の太陽光パネルや中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)などが製造した部品があふれており、電力インフラの安全性に懸念が強まっている。・・
(ノルウェーの専門家が)「欧州の電力インフラには(太陽光発電の基幹部品である)インバーターを通じて遠隔でアクセスできる。サイバー攻撃の標的となれば、欧州の電力網に深刻な影響を及ぼし得る」と指摘した。

ここで取り上げられているインバーターは、太陽光発電パネルから出力される直流を交流に変換するための重要な部品のひとつであり、最近ではハイブリッドインバータと呼ばれるより高機能なものも普及している。このインバータの制御が遠隔アクセスを通じて行うことが可能であり、悪意を持ってこれを操作すれば、電力網に重大な影響を及ぼす可能性があるという。

先月のスペイン・ポルトガルの大停電の原因を、上述の中国製の太陽光発電システムにあると結論づけることはできないまでも、そこには潜在的な危険性が潜んでいることを否定することはできない。

太陽光発電にかぎらず風力発電などの再生エネルギーを広域な電源とするうえで、適切に制御するためには技術的な難しさも含まれる。主要電源として再生エネルギーを取り込む際には、そこに含まれるセキュリティ、安全上の課題について詳細な検討が求められる。
 


Post a Comment