高齢者の元気の秘訣!

March 17, 2016 – 10:18 pm

NHKの国会中継(3月1日放映)で自民党の平沢勝栄議員が質問していた。高齢者の雇用問題を扱っていたが、そのなかで「高齢者の元気の秘訣はキョウイクとキョウヨウ」なんて調子のいい話をしていた。

この話、高齢者を小馬鹿にした話だと思っていたら、平沢議員の紹介した「キョウイクとキョウヨウ」なんて話は、高齢者の社会参加の大事さを説くためによく引き合いにだされているようだ。

どうでもいい話とは思ったが、私も65歳を超える高齢者のひとりということで平沢議員の話をメモし、ちょっとした感想を書いておいた。

平沢勝栄議員の質問
国会中継での平沢勝栄議員の質問は、次のようなもの:

高齢者雇用の問題についてお聞きしたいと思いますけども、・・地域を廻っていますと、お元気でご活躍されているかたが大勢おられるのです。で、そういった方々のなかには、できれば仕事につきたいと思っておられるかたも大勢おられるわけです。
日本は60歳定年、雇用を延長しても65歳ということで、そのあとお元気だけども、なかなか仕事が見つからないという方もおられるわけでございます。
高齢者のかたがお元気な秘訣というのはキョウイクとキョウヨウと言われているんです。キョウイクというのは今日行くとこがあるという意味です。キョウヨウというのは今日、用があるという意味ですけど、ま、いずれにしましても、仕事をしているということは健康につながる そして医療費の抑制にもつながるわけで、そういったかたが仕事していだければ 今、総理が言ってらっしゃる一億総活躍社会の実現にもつながるわけでございます。

このキョウイクとキョウヨウという話、ネットで調べてみると、昔々「頭の体操」なんてベストセラーを書いた心理学者の多胡輝の著書「100歳になっても脳を元気に動かす習慣術」のなかで紹介されたものだという。

なんのことはない、高齢者にとっては、やることがなくうちにとじこもるのではなく社会とのつながりを持ちなさい、それこそが元気に過ごす秘訣ということを述べているようだ。「元気の秘訣は『教養(キョウヨウ)と教育(キョウイク)』」なんてダジャレ、高齢者対策をしようとする側には受けているようだ。

高齢者に社会的なつながりを持たせることは大切ということになると、いきおい、高齢者は「地域の活動に参加」すべしとか「シルバーセンターで活躍」すべしなんて話になる。私は今年で会社をリタイアして10年になるが、私のつたない経験から言うと、そんなに簡単に地域に溶け込み社会的なつながりを持つことができるものではない。それが正直な実感だ。

高齢者の社会参加は結構大変!
少し前の話になるが、日経のコラム「定年楽園の扉」で「『定年後の地域活動』の落とし穴」(日経電子版10/15付)というのを読んだ。これ、「高齢者の社会参加」について考えるうえでかなり興味深い。つぎのような話だ。

以下抜粋:

定年後の生活についての研修やセミナーのなかで、講師の多くはこう言います。「会社を辞めた後は地域があなたの居場所なのですから、積極的に溶け込んで地域活動をしなさい」。・・・この言葉をうのみにするととんでもない目に遭うことがあります。
「地域」というのは決して穏やかなところでものんびりしたところでもありません。地域活動に関わっている人たちはそれなりに大変な思いをして活動しています。多くの住民たちのエゴがぶつかり合うわけですからそれは当然です。・・・必然的に長く住んでいて年長の人のなかにボス的な存在がでてきます。・・・いわば陰のドンです。
地域社会というのは想像以上にこういうヒエラルキーの存在する世界です。始末のわるいことにそれは会社のようなドライな関係ではなく、わりとウエットな関係です。
地域は逃げ場がありません。
私自身は地域の人たちとの交流は最小限にして日常のあいさつや清掃活動など、良好なコミュニケーションが保てる最低限必要なことだけはやりますが、それ以上は絶対入り込むつもりはありません。

高齢者の元気の秘訣、キョウヨウとキョウイクを身に着けようとすると、それなりの覚悟が必要ということだ。

ま、どうでもいい話かな。


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