50年前の65歳は現在の75歳に相当!!
April 8, 2014 – 11:10 am4月4日付の日経(朝刊)に興味深い解説記事(「人口減少社会の設計図(下)『高齢』の定義、見直しの時』」(金子隆一 国立社会保障・人口問題研究所副所長))がでていた。平均余命をベースとする人口統計指標を用いて「高齢」の定義を見直すと、50年前(1960年)の65歳(高齢者の入口)は、現在の75歳に対応するという(右の表)。
いまどきの60代は、まだまだ若いと言われるが、それを裏付ける話かもしれない。メモしておいた。
「平均余命等価年齢」: 人口統計指標のひとつに「平均余命等価年齢」と呼ばれる指標があるようだ。その指標は以下のようなものだという:
この指標は、各時代で平均余命の等しい年齢を同じ年齢とみなす考え方である。
以前からあった指標だが、ウィーンの国際応用システム分析研究所の研究者だったウォーレン・サンダーソン氏とセルゲィ・シェルボ氏がこれを用いた一連の高齢化研究を科学誌ネイチャー(05年)やサイエンス(10年)に発表。世界的な高齢化のなかで脚光を浴びるようになってきた。
この指標にもとづき算出されたのが、冒頭の表、「平均余命の延長を踏まえた高齢の『新定義』と人口指標」だ。この「新定義」に基づくと、今から50年後には、80歳にならないと「高齢者」の仲間入りできない、ということになる。
新定義でわが身を考えてみた: 昨年「65歳」になった。現在のシステムのもとでは、(前期)高齢者の仲間入りしたわけだ。
年金は満額支給されるようになり、介護保険の被保険者となった。良く目にする生産年齢人口(15~64歳の人口)からはずれ、「非生産年齢人口」となった。良く言えば「ハッピーリタイアメント」、ひがみぽっく言えば、「働かけない厄介者」としてグループ分けされたことになる。
本音をいえば、やっとたどりついた年金生活。今から人生楽しませていただきます、というところだ。
しかし、だ。
新しい「高齢」の定義では、50年後には80歳まで高齢者の仲間入りできないなんてことになるらしい。これって大変なことだ。元気で、健康な「年金生活」を送りたかったのに、元気なうちは「高齢者」と認めませんなんて言われるなんて・・・。