東日本大地震・個人的体験(被災時に困ったこと、役立ったこと)
April 4, 2011 – 12:46 pm地震発生後、延べ4日間の停電そして約10日間にわたって水道が止まった。電車は、ほぼ3週間にわたって不通。そして高速道路は寸断され(緊急支援車以外の通行が禁止されたこともあるが)回復まで20日間程度かかった。大げさに言うと「陸の孤島状態」がしばらく続いた。
地震直後に想像していた以上にいわゆるライフラインの復旧に時間がかかった。ライフラインが寸断された状態でも生活しなくてはならない。今回の経験、この種の災害に対する(個人的な)備えを今後どのようにしておくべきかを教えてくれたような気がする。
被災時に困ったこと、役立ったものなどについて思いつくまま書いておくことにした。
水の確保: 今回の大地震で最初に困ったのは水が確保できなくなったということだ。飲料水はもとより、トイレを流す水がなくなる。当然のことながらお風呂にはいることができない。
今回のような災害が起きると、すぐ思い起こすのは自治体などがだしてくれる給水車だ。しかし、この給水車、ほとんど役にたたなかった。飲料水を得ようとしても3~4時間にわたって並ばねばならない。飲料水として、ペットボトルいりの水は災害時には必須かもしれない。
トイレに流す水となると絶望的だ。一回水を流すのにバケツ一杯の水があっという間になくなってしまう。常にお風呂に水を張っておくことが必要だと聞かされていたが、今回の地震災害で納得した。この種の生活用水、給水車に期待してもとても間に合うものではない。
一番役立ったのは、通りがかりの人に教えてもらった湧き水の活用。45Lのごみ用ポリバケツを水瓶とした。田舎住まいならではということではあるが、湧き水は本当に役立つ。飲料水としても、煮沸して使った。
昔は、いたるところに井戸があった。しかし、最近の井戸は電動ポンプでくみ出す仕組みになっている。今回のような停電時には活用できない。
情報源の確保: 停電になると全ての情報から遮断されてしまうことを思いしらされた。今回の災害では、4日間にわたって停電状態での生活となったわけであるが、テレビはもちろんのこと、電話(携帯を含む)も不通になってしまった。
昔使っていた黒電話では電源がなくても通話できたのでは、と思うのであるが、今我々が使用している電話には電源が必要になる。外部の電源が確保できない状態でも電池で1週間程度通信可能な電話器が必要なのではないかと感じた。ただ、電話回線が寸断されなければという前提ではあるのであるが・・。
ここで活躍したのがラジオだ。幸い、電池で動作する携帯ラジオが動作していた。災害状況を知るうえで、このラジオの存在は貴重だ。それからもうひとつ、ローカル放送は、今回のような災害では実に役立った。
パソコンによる情報も当然のことながら停電になってしまうと得ることができなくなる。我が家では停電対策用にUPSを備えていたが、今回のように数日間にわたって停電してしまうと、ほとんど役にたたない。数日間にわたって電源の確保を可能にする家庭用蓄電器を備える必要があるのではないか、と思った。
因みに、我が家に設置している自宅サーバー用PCでは、ログを見ると、地震発生から約1時間にわたって動作している。
暖房器具: 今回のように気温が低いときには、当然のことながら暖房器具が必要だ。我が家、通常の暖房は灯油ストーブとエアコンの2本立てにしているが、停電になってしまうと、どちらも使えなくなってしまう。
市販の灯油ストーブの大部分はファンヒーターだ。このタイプのストーブ、電気が止まってしまったら、使うことができない。昔ながらの灯油ストーブが、こういう状態だと活躍する。これを機会に、電気を必要としない灯油ストーブをひとつ準備しておくことが必要なのではないか。灯油が備蓄されていることは前提ではあるが・・・。それに換気についても忘れてはならないだろう。
LPガス: ライフラインのひとつに数えられるガス。我が家ではボンベのLPガスを使用していたため問題はなかった。都市ガス設備のない田舎住まいではの特典ではないか。
災害時には、1週間程度、社会インフラに頼らなくても良い体制を整えておくことが大切なのではないかと思う。
懐中電灯: 我が家では、単一電池4個をいれる懐中電灯(ハンディライト)を停電時用に準備していた。今回の災害では、実に役立った。
ハンディライトを天井に向け照らすことにより、間接照明という感じで、15畳程度の広さの部屋の明かりを確保できた。災害時には、ロウソクの使用は火事の危険を考えねばならないが、これだと、その心配もない。
ただ、3晩も使用すると、電池がなくなる。懐中電灯に加えて電池の買い置きが必要になる。災害時に、電池を求めようとしても手に入れることは困難だ。
通して考えてみると、普段便利で効率が良いと思われるものは、総じて、災害時には役にたたないのではないかというのが感想だ。便利で効率的と思われるものは、電気を使う機器が多い。「オール電化」といった仕組みは、災害時には弱いといえるのではないか、と思う。
だらだらと思いつくまま書いてみたが今回の教訓を生かさねばならないと思った次第だ。
さて、何から手をつけるか?