ドイツの電力は輸出超過!
February 20, 2012 – 5:41 pmついさっき、毎日.jpの記事「ドイツ:脱原発でも電力輸出超過 再生エネルギー増加で」なる記事を見た。飯田哲也の話しのなかでドイツの再生エネルギーへの取り組みについて注目はしてたけど、これは凄いニュースだ。右図は、この記事に掲げられていたドイツの電力収支量だ。飯田哲也の話、どうかななんて思ってたけどひょっとしたらかなり実効的なのかもしれない。メモしておいた。
記事のリード文では次のようになっている:
東京電力福島第1原発事故後に「脱原発」を決め、国内17基の原発のうち約半数にあたる8基を停止したドイツが昨年、周辺諸国との間で、電力輸入量よりも輸出量が多い輸出超過になっていたことが分かった。脱原発後、いったんは輸入超過に陥ったが、昨年10月に“黒字”に転じた。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの増加と、全体のエネルギー消費量を抑える「効率化」が回復の要因だという。厳冬の影響もあり、電力不足の原発大国フランスにも輸出している。
フランスは輸入に転じる: 今年のヨーロッパ諸国、我が国でもそうだけど、歴史的な厳冬だという。その影響もあり、NHK-BSで放送しているFransce2で、数日前に、フランスの電力がたらなくなって輸入しているなんて話がでていた。原発大国フランスに電力を輸出するなんて国はどこだろうなんて思っていたらドイツだった。
このニュースは本当にすごい。
こうなると、もう原子力なんて路線は、エネルギーセキュリティという点だけをとっても意味をなさなくなってしまうからだ。
いままで原子力に頼っていたツケがまわってきたのか、遅れをとってしまったな、なんて思ってしまう。
原子力業界の片隅で働かせていただいていたものとして、福島第一事故の惨事、そしてこんどはドイツの再生エネルギーの明るい見通しを見て、考えこんでしまった次第。
関連ポスト:
- 斉藤 誠著「原発危機の経済学―社会科学者として考えたこと―」を読んでみた
- 2025年までにフランス原発17基の閉鎖も – 仏新環境相
- 嘉田滋賀県知事の「びわこ宣言」を見て・・
- 飯田哲也著「エネルギー進化論」を読んでみた
- 宮台信司×飯田哲也 共著 「原発社会からの離脱」を読んでみた
- 舘野淳著「シビアアクシデントの脅威」を読んでみた
- 高木仁三郎が警告した巨大科学技術文明の抱える問題とは
- 気になったニュース: 日本勢の原発ビジネス、大きな岐路に
- 気になったニュース: 原発安全費、想定の3倍超!
- 飯田哲也×鎌仲ひとみ共著「今こそ、エネルギーシフト」を読んでみた
One Response to “ドイツの電力は輸出超過!”
私は河野太郎氏の本を読んで知ったのですが、日本も本来は2000年ごろには太陽光発電や風力などの自然エネルギーの大きな開発が始まっていましたので、今頃はとっくに自然エネルギー大国になっていたはずなのです。
ところが、原子力発電関連事業の利益が減ることを恐れた、電力会社の族議員(自民党国会議員)と、電力会社に天下る予定だった経済産業省の役人たちが、風力発電の建設数に突然規制法を作らせる、太陽光発電設置への補助金が突然打ち切りになる法律を作る、などという妨害工作をやったせいで日本は世界でも最も優れた太陽光発電などの技術を持ちながら、世界で最も遅れた国になったんだそうです
恐ろしきは「原発村の住人達」なのです
By 玉井人ひろた on Feb 24, 2012