気になったニュース:先の見えない福島第一事故後始末
August 11, 2019 – 12:58 pm一昨日(8/9)の「森本毅郎 スタンバイ!」(TBSラジオ)のニュースズームアップで東電福島第一事故の後始末に関連するふたつのニュースを報じていた。ひとつは汚染水の処理について、もうひとつは炉内のデブリの取り出しについてだ。
このニュースのヘッドラインを以下に転載:
東京電力は福島第一原発で保管している放射性物質トリチウムを含む汚染水のタンクが2022年には満杯となる見通しだと明らかにしました。東電は来年末までタンクの増設を計画していますが、原発敷地内の保管場所が限られ、その後の計画は決まっていないということです。
一方、福島第一原発の廃炉の技術的方針などを検討している原子力損害賠償廃炉等支援機構は溶け落ちた核燃料の取り出しについて2号機から始めるのが安全で確実だと提言しました。国と東電は提言を踏まえて、今後、廃炉の工程表にこの方針を盛り込むことを検討しています。
東京電力の公開資料に、汚染水について以下のように説明されている。
原子炉を冷やすために注入した水や、山側から海側に流れている地下水が、原子炉建屋等に流れ込み、溶融した燃料に直接触れたり、原子炉建屋内等に溜まっている放射性物質を含む水と混ざることなどで汚染水となります。汚染水は段階的に放射性物質を取り除き、リスク低減を行った上で、敷地内のタンクに保管しています。
この汚染水は浄化処理を施したのち、タンクに貯蔵されている。この汚染水に含まれる放射性物質の大部分は浄化処理によって取り除かれるが、トリチウムは浄化処理の対象とできないことから、タンクに貯蔵される汚染水に含まれる放射性物質の大部分はトリチウム。
このトリチウム水の処理については、唯一、希釈後海洋放出しかない。トリチウムの核的性質からいっても、これによる被ばく線量は比較的低い。問題は、海洋放出の決心をしない東京電力の無責任さにある。そろそろタンクが満杯になってしまいます、というのでは、なんとも情けない話だ。
炉内デブリの取り出しの先行きも合わせて考えると、まだまだ、先の見えない状態が続く。