IT時代の著作権問題は複雑だな・・・

December 1, 2009 – 10:34 pm

少し前になるが、asahi.comに「『ダビング10』解除プログラム販売で東芝社員が逮捕」という記事がでていた。逮捕要件は、「著作権法違反容疑」だという。この事件、ここ数年世間を騒がせた「Winny事件」と同じで、著作権侵害そのものではなく、これをたすける「違法コピー技術」を流布・頒布が問題にされている。「違法コピー技術」の流布・頒布が著作権法違反になるということ、よく理解できない話だ。

ダビング10の解除技術: 以前、「我が家のDVDレコーダ、『ダビング10』対応に化けていた」という記事を書いた。DVDメディアにダビングするのは一度きりという「コピーワンス」という仕組みが、知らないうちに10回までコピーできる「ダビング10」に変わっていたという話だ。DVDレコーダのファームウェアを製造メーカーがネット経由で書き換えてくれていた。

このとき思ったのは、DVDレコーダのダビングの制限なんて、ファームウェアを書き換えてしまえば簡単に解除することが可能だな、ということ。これだけIT技術が普及し、それなりのスキルと知識を持つものが増えると、ファームウェアの書き換えなんて、そんなに難しいことではないのではと思う。

今回の「ダビング10」解除プログラム販売事件、技術的な点では、驚くような話ではないのではないか?逮捕された東芝社員は、おそらく何が起きたのか当惑しているに違いない。海賊版の製造を専門に行なう業者にとって、この程度の技術、とるにも足りないものに違いない。

問題なのは『コピー技術』の開発?それとも売却?: 今回の「ダビング10」事件と同じく、世間を騒がせた「Winny事件」の犯罪容疑は著作権侵害の幇助だった。裁判で問題になったのは、私の理解では、Winnyの開発・流布が著作権侵害を目的としたものであったかどうかのようだ。結局、高裁の判決で、Winnyの開発自体は問題ではないということになった。

Winnyの事件と今回の「ダビング10解除」事件の共通点は、「コピー技術」が問題にされている点だろう。違いは、「ダビング10」事件は、「コピー技術」を売って利益を得たということころなのかもしれない。だとすれば、DVDとかCDとかのダビングソフトがかなり市場に出回っているのはどうなるのだろう?(最近は、こうしたダビングソフトなくなったのかな?) ただ、これらダビングソフトには、通常、「違法なコピーはしないように」という意味の注意書きがついている。

こう考えると、「ダビング10」で逮捕された東芝社員、「注意書き」を付けないで有償でダビング10解除ソフトを売り払ったのが問題、ということになるのだろうか?何が問題なのか分からなくなってしまう。

最近、あまり見かけなくなったレコードプレーヤーで音楽を聴いてみた。気のせいかも知れないが、CDより、ずっと音が良いように感じる。ディジタル化によってコピーが簡単になるのは当然の話だ。こうなったら、音楽業界、古きよき時代にもどってアナログのレコードを売ったらいいのではないか?

なんて馬鹿なことを考えた。

また、まとまらない話を書いてしまった。反省!


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