欧州: 気候変動対策よりエネルギー対策優先 石炭火力も復活

August 12, 2022 – 10:44 am

「西欧から米国、中国にわたる北半球の広い地域が猛烈な熱波に襲われ、異常気象に対する警告は一般論ではなく、まさに現実の話」(Financial Times 7/26付社説)とCO2対策など異常気象への対処が強調されている。このところ毎日のようにヨーロッパ諸国の山火事、干ばつのニュースがヘッドラインを飾っており、異常気象に対する対処が急がれるといったところだ。

ところが、だ。

今日の日経朝刊には一味異なる話がでていた。「欧州、電力消費に規制・対策 スペイン冷房27度以上に、フランスは石炭発電復活」というニュースだ。このニュースのリード文を以下に転載:

欧州各国がロシアによる天然ガス供給減少への対応を急いでいる。節電のためエアコンの温度制限を設け、屋外照明なども規制する。フランスが石炭火力発電所の再稼働を決めるなど、気候変動対策よりも電力確保を優先する動きも顕著だ。インフレにあえぐ有権者がさらに不便を強いられ、各国政権への不満が高まる恐れもある。

歴史的な熱波騒ぎのなか、気候変動対策というより石炭火力、原子力発電を復活させたり、節電の動きを強化するなど、目先のエネルギー対策に重点を移すような動きがあるようだ。

なんだかんだいうけど、ロシアが天然ガスのヨーロッパ向けラインが閉じるなか、気候変動対策など先送りするのは当然、背に腹は「代えられない」というところか。

あれだけ評判の悪かった石炭火力発電についてみると、フランスでは3月に停止した東部サンタボルドの石炭火力発電所を今年の冬に再稼働、ドイツ、オーストリア、オランダも石炭火力発電の再活用を決めたという。

石炭火力の復活ということになると、当然のことながら原子力発電の復活という動きも大きくなるだろう。

さて、わが国はどうしたらいいのか、多分、石炭火力の強化、原子力発電の復活などを考えたほがよさそうだ。
  


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