多田 将著 「放射線について考えよう。」を読んでみた
November 9, 2018 – 3:38 pm近所の公営図書館で本書を見かけ、読んでみた。
本書を読むことにした動機は、以下だ。
まず、本書の初版(第一刷発行)が2018年8月21日と、出版されて間もない。
福島第一事故から7年半が経過したいま、語りつくされたとも思われる「放射線」について議論するのは、どのような意図からか、多少、興味を持った。
そして、本の帯びには、「物理学の知識をひととつずつ積み重ねながら自分の頭で正しく考える方法、お教えします」となっている。随分、高飛車な表現で、放射線が論じられるらしい。
それに、同じく帯に、福島第一事故で放射線被曝について精力的に「啓蒙」活動をした東京大学名誉教授・早野龍五が「異色のニュートリノ研究者が論理的、定量的、かつ饒舌に語る!デマ拡散の本質にも迫る、ネット連載待望の書籍化。」としているのにも興味を持った。
一応全部を読み終えた。
私の結論。
多少、乱暴な表現になるのかもしれないが、福島第一事故を経験した周辺住民は、著者の考えるほどには「無知」ではない、といったところか。
それにしても、本書を読むことで貴重な時間を浪費してしまった、という感想しか残らなかった。
残念。
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