国民健康保険制度はどこへ行く?

January 22, 2009 – 10:32 am

先週、国民健康保険料を滞納する世帯が過去最高の453万世帯にのぼり、加入世帯に占める割合は、平成20年6月1日時点で、20.9%で過去最悪になったことが報道された。大変な事態だ。このブログでも、「国民健康保険の税額はどうやって算出される?」で、この制度について考えたことがある。昨年12月14日付けの日経(朝刊)に関連するデータが掲載されているのを見かけたのでメモしておいた。

e59bbde4bf9d-b国民健康保険制度の特徴は、健康保険組合との比較が示されている表、そして国民健康保険加入者の職業別状況が示されている図に端的に表れていると思う。

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この表と図からわかることは、国民健康保険が、「弱者」の医療を守る国民皆保険制度の「最後のとりで」となっていることだ。

 

 

 

e59bbde4bf9d-d保険料滞納世帯数の推移が表されているのが右図だ。この図で示されているのは、2007年までのデータ。先週、報道された滞納世帯数453万世帯、加入世帯の20%超の数字が、2008年分として、これに加わることになる。ただ、2008年は、評判の悪い後期高齢者医療制度が開始されたことから、このデータからは、85歳以上のひとたちは除外されている。

報道では、今回の発表についての厚労省の分析として「無所得者や低収入の加入者が増え、年々上昇する保険料を支払う余裕がなくなっている」と述べているという。このデータは、昨年6月1日時点のものだ。その後の金融危機後の状況を反映していない。これを考えると、暗澹たる気分となる。


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