ザイム真理教と財務省解体デモ

June 13, 2025 – 5:44 pm

日経電子版(6/13配信)に「財務省は国民の敵か 忍び寄る国債格下げ、しわ寄せは民間企業に」と題する解説記事がでていた。

この記事のリード文を以下に転載:

役人やビジネスパーソンが行き交う東京・霞が関にある財務省本庁舎。金曜夕方になると普段見かけない人々が庁舎を囲むように集まる。「消費税廃止」「財務省解体」といったプラカードを掲げるデモ参加者は2025年初めには千人規模まで膨れ上がった。


この財務省解体デモは、故森永拓郎の著作「ザイム真理教」のなかの主張に沿った運動、市民デモというものと考えてもいいようだ。この「ザイム真理教」というのは、

7割くらいの国民が、「日本は借金で首が回らなくなって財政赤字が大変だ」という財務省の主張を理解しているというか賛同しているので、それに疑いを持っている人は2〜3割しかいない、

として、政権・財務省の「財政均衡主義」を否定するもののようだ。

森永拓郎によると、日本のような国は、政府が国際を発行して消費を増やす、あるいは投資を増やすことで景気を下支えしなければならないとし、どんどん国際を発行しなければならないのに、国民の7,8割8,000万人の国民(ザイム真理教信者)は、これに反対し、その中心に財務省があるので、これを解体しなければならないということになるようだ。

一般家庭の赤字というのは大変だが、国の赤字は、必要に応じて、輪転機をまわしてどんどんお札を刷って、国債を発行すればいいという。

こうした考え、「ザイム真理教」の信者である私としては、亡国の論理としか考えられない。確かに、我が国に本は世界最大の債権国家であることは間違いない。一定程度の債務が積み重なっても問題はないと考えてもいいような気はする。

しかし、だ。我が国の債務残高は国内総生産(GDP)の2倍を超えてしまっている。債務というのは利息をつけて返済すればならない。少し前までデフレ状態にあった我が国の金利はタダ同然であったので、なんとか乗り越えることはできたが、「金利ある時代」に突入した今、国の債務、借金の利息を払うだけでも容易ではない状況になっている。

こんな状況で、国債の価値がさがり、金利が増大してきている。なんのことはない、国の財政に対しての信用が失墜し、どんなに金利をはらっても国債の買い手がなくなってきているのが現状なのだ。

こう考えると、財務省解体デモに参加し、声高に消費税廃止、減税を主張する連中は亡国の輩としか考えられない。

それにしても、この国、大変な国に、情けない国になったものだ。次期の国政選挙では、なんとしても、消費税を堅持、むしろ増大させ「財政均衡」を図ろうとする勢力を押さねばならない。
 


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