気になったニュース トヨタの五輪CM見送りがNYダウに波及!?

July 20, 2021 – 7:26 pm

日経電子版(7/20 9:42)の『TOYOTAの五輪CM見送り、市場に波紋 NYダウ大幅安」を読んだ。

昨日のNYダウ大幅安の主要な原因がTOYOTAのCM見送りにあるとは思わないが、TOYOTAの「ちょっとした決断」が世界経済の動きに影響を及ぼすことがあるようだ。

この日経記事のリード文は以下(転載):

世界市場で突然、株売り・国債買いが強まっている。新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大による景気下振れリスクに加え、「東京五輪はコロナ克服のシンボル」との期待が失望へと変わりつつあり、世界経済や日本企業の先行きに対するいくつもの不安が噴出している。


この日経記事によると、米株市場の著名コメンテーター、ジム・クレイマー氏は、TOYOTAの決断を引き合いに「我々はコロナに負けている。それがみんなを不安にさせている」とTweetしたという、東京五輪の無理な開催が人類がコロナに打ち勝つ象徴になるどころか、敗北感を増幅させてしまっているようだ。

菅総理は、五輪を開催する意義について繰り返し、以下のように述べている:

コロナ禍という時期でありますから、まさに困難に直面する今だからこそ、世界が団結をした象徴としてこの難局を乗り越えることができる。そうしたことを世界に発信することも私は意義があることだと思います

果たして、菅総理のいうように、筆頭スポンサーのTOYOTAがCMを見送る「無観客」の五輪が「世界の団結をした象徴」となるのか、それともコロナへの敗北を象徴することになるのか、興味深い。

50年前の東京オリンピックのとき、オリンピック開催にむけ、東京の中心「日本橋」を高速道路で覆い隠してしまった。今、この高速道路を地下に潜らせ、高速道路のない「日本橋」にすることになったようだ。

50年前の東京オリンピックは、我国の首都の象徴を犠牲にしても開かねばならないオリンピックだった。その見返りに、戦後日本の復興の足がかりを得たように思う。

50年経った今回のオリンピックはどうか。我が国で開催することに何の意味もない。むしろ、50年前にオリンピックで失った日本を取り返すことの方が意味がある。

貴族趣味で始まったオリンピックが平和の祭典という欺瞞に満ちた古臭い幻想であることを、新型コロナの流行が教えてくれたような気がする。この際、オリンピックのあり方をその基本から考え直したら良い。


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